みなさん、こんにちは。今日は、アイデア発想に関する話をしたいと思います。
最近、仕事を通してアイデアを生み出すスキルの重要性を強く感じるようになりました。企業の現場でも、アイデア発想力を高める取り組みが活発化しています。
アイデア発想は、新しいものを生み出すための大切な能力です。私たちITエンジニアも日々この能力を磨いています。今回は、皆さんの家庭でも子供たちにアイデア発想を教えられる方法をご紹介します。
自己紹介
まずは自己紹介をさせていただきます。私は高松在住で東京の会社に勤めているITエンジニアです。長年の経験から、自身のスキルアップはもちろんのこと、後進の育成にも力を入れて取り組んできました。過去にはDX(デジタルトランスフォーメーション)の研修教材作成に携わったこともあります。最近では、妻と一緒にプログラミング教室の開業に向けて準備を進めているところです。
アイデア発想の重要性
ここ数年で、ビジネスの現場でアイデア発想をする機会が本当に増えてきました。自分の経験からいくつかお話しますと、まずはデジタルトランスフォーメーション(DX)の影響が挙げられます。DXを進めるにあたり、業務の効率化や新しいサービス開発のためにアイデアを絶えず生み出す必要があります。
また、ユーザー体験(UX)の重視やデザイン思考の浸透も大きな要因です。顧客の視点に立ち、ニーズに合った製品やサービスを生み出そうとすれば、当然アイデアは欠かせません。加えて、組織全体で知恵を出し合う集合知の活用が推奨されるようになり、アイデア発想がますます重要視されています。
アイデアを生み出すための手法も次々と登場し、進化を続けています。
一般的に知られているのは、みんなで自由にアイデアを出し合うブレーンストーミングでしょう。
しかし、それ以外にもデザインスプリントやカスタマージャーニーマップ、システムシンキングなど、UXやデザイン思考、集合知を活用したさまざまな手法が登場しています。
最近の仕事現場で行われているアイデア発想の具体例紹介
それでは、最近の仕事現場でどんなアイデア発想が行われているのか、具体例を挙げながらご紹介しましょう。
最近では、デザイン思考の影響もあり、ユーザーの立場や視点を大切にするアプローチが主流となっています。ユーザー体験(UX)を起点に据え、使いやすさやわかりやすさといった観点から幅広くアイデアを検討することが求められるようになりました。
エンジニア等、アプリ開発に関わる人達だけでなく、ビジネス企画、営業、コンサルタント、カスタマーサービスから管理職、経営層まで様々な人がアイデア発想をおこなっています。
ブレーンストーミング
最もポピュラーな手法が「ブレーンストーミング」です。参加者全員でアイデアを自由に出し合い、相乗効果を生み出そうというものです。この手法のルールは非常にシンプルで、
- アイデアに批判やNGワードは付けない
- アイデアはどんどん出し合う
- 奇抜でユニークなアイデアを歓迎する
といった具合です。制約なくアイデアを出していけば出していくほど、新しい発想が生まれてくるというわけですね。
UXデザイン
UXデザインとは、ユーザーの体験(UX: ユーザーエクスペリエンス)を意識的にデザインする手法のことです。ユーザーの気持ちに寄り添いながら、使いやすく快適なサービスを生み出そうというアプローチです。
具体的には、ペルソナ(理想顧客像)を考えたり、利用シーンを可視化したカスタマージャーニーマップを作成したりと、ユーザー目線でアプリやサービスを見直すプロセスが含まれています。
カスタマージャーニーマップ
ユーザーの”体験”を可視化することで、新たなアイデアを発見する手法です。
ユーザーの行動を具体的にマップに起こしていき、問題点や改善点を見つけ出します。発散と収束を繰り返しながら、様々な角度から議論を重ねていきます。
デザイン思考
デザイン思考は、ユーザーの本当のニーズを発見し、それに応えるサービス・製品を生み出すための考え方です。
デザイン思考のプロセスは以下のような流れになります。
- 観察・共感する
- 本当の問題を定義する
- アイデアを出す
- プロトタイプを作る
- テストする
要するに、現場主義で課題を掘り下げてから、その解決策を考えていくわけです。一見遠回りのようですが、この作業を通じて本当に役立つアイデアが創出されていきます。
デザインスプリント
短期間で集中的にアイデアを出して検証する手法です。短期間でプロトタイプを作って検証をおこないます。発散・収束・プロトタイピング・テストを集中的に行うことで、期にユーザーの反応を確認できます。
システムシンキング
システムシンキングは、物事を全体として俯瞰し、その根底にある仕組みを解き明かすための手法です。
例えば「社内のDXが進まない」という事象があったとすると、その根底にはそうなる仕組みがあり、なるべくしてそうなっているという考え方です。
その仕組みの中の悪影響を及ぼしている部分を変更し、良い結果を生む仕組みに作り替えるというアプローチを取ります。
集合知の活用も進んでいる
さらに、アイデア発想の世界では「集合知」の活用も広がってきました。多くの人の知恵を集めることで、よりクリエイティブなアイデアが生まれやすくなるというわけです。
多様な人々の知見を集約することで、バラエティ豊かな発想を引き出そうとしているのがポイントです。
そういった意味で、アイデア発想においては「多様性」が非常に重要な要素になってきています。
【家庭でできること(入門編)】まずは発散の練習から
基本の発散と収束
多くのアイデア発想のプロセスでは、まず幅広くアイデアを出す「発散」と、そこからアイデアをまとめていく「収束」をおこなうことが多いです。
実は、現場でファシリテーションをしていると、多くの人が最初は発散の段階で苦労するようです。
後から収束するため、発散時は外れたアイデアも含め広く沢山出すことが大事なのですが「間違っちゃダメ」「答えを出さないと」と思ってしまってアイデアの出にくさにつながるようです。
ですので、まずは発散でアイデアを広く沢山出す習慣に慣れることから始めるのが良いでしょう。
子供の頃から発散する習慣をつけておくことが効果的だと思います。
発散のコツ
まずは自由に考えることから始まります。制約を設けずに、あらゆる可能性を思いつく限り出し尽くしていきます。
この段階では、奇抜な発想や常識を超えたアイデアを歓迎します。判断は一旦止めて、アイデアを生み出すことだけに集中するのがコツです。
- 数を重視する
発散の際は、アイデアの質より量を意識することが大切です。制限なくアイデアを出し続けましょう。 - 奇抜さを歓迎する
常識にとらわれずに、ユニークで変わったアイデアを歓迎しましょう。発想を広げるきっかけになります。 - 批判をしない
発散中は絶対にアイデアを批判したり評価したりしないでください。自由に思いつくままをアウトプットできる環境が重要です。 - 組み合わせを活用する
出されたアイデアを組み合わせたり、組み替えたりすることで、新しいアイデアが生まれる可能性があります。 - ビルドアップする
他者のアイデアに対して、それを発展させるアイデアを追加していく「ビルドアップ」を活用しましょう。 - 時間制限を設ける
一定の時間制限を設けることで、強制的に発想を加速させられます。制限時間内にアイデアを出し尽くしましょう。
発散は自由にアイデアを生み出す過程です。バラエティに富んだ多様なアイデアがキーとなります。
やり方
付箋とペンを用意して、みんなで思い浮かんだことをバンバン書いて壁等に貼っていきましょう!
貼るときに他の人に分かるように簡単に説明しながら貼ってください。
それを聞いて新しいアイデアが思い浮かんだら、どんどんアイデアを繋げていってください。
補足やチョイ足しもOKです。どんどんアイデアを広げていきましょう!
関係するものは隅を重ねて貼ったり、グルーピングしたりしながら進めると全体の関係性も見える化されていき、また新しいアイデアに繋がっていきます。
テーマは日常的にある小さなものでOK
例えば以下のようなものです。
- 部屋の模様替えプラン
- 誕生日等のイベントプラン
- 旅行プラン
- 家族や友人へのギフトアイデア
最初こそ戸惑うかもしれませんが、繰り返し練習していけばどんどん上手になっていきます。子供のうちから発散の経験を積むことで、アイデア発想の基礎力が身に付きます。
親子で楽しみながら一緒にやってみてください。
【発展編】収束の方法も体験させよう
発散に慣れてきたら、次は良いアイデアを選び出す「収束」の練習にも取り組んでみてください。
整理・分類してアイデアをまとめます。
- グルーピング
同じような内容のカードをまとめて分類し、グループ分けしていきます。このとき、似たようなアイデアがあれば、新しいグループを作ります。 - 統合と整理
類似のグループ同士をさらに統合したり、グループの関係性を検討し、全体を整理します。 - 問題の発見と課題設定
グループ化されたアイデアを見て、本質的な問題点や課題を導き出します。 - 解決策の検討
導き出された課題に対する解決策を、カードのグループから読み取ります。
ちなみにこれはKJ法という手法です。
アイデア発想に役立つ書籍の紹介
アイデア発想に関する優れた書籍が多数出版されています。中でも個人的におすすめなのが、『アイデアの作り方』です。この本は、クリエイティブな発想法をわかりやすく解説しています。ぜひ一度手にとってみてください。
発想力は子供のうちから伸ばそう
大切なのは、このようなアイデア発想の仕方やマインドセットを子供のうちから身に付けさせることです。
子供のうちから実践を通じてアイデア発想を体得することが大切です。
発散力は、アイデア発想だけでなく、課題解決力や創造力の基礎となる能力です。
ビジネスの現場で実際に役立つスキルですし、ITやビジネスだけでなく、あらゆる分野で活かせる汎用的なスキルでもあります。
この能力は将来必ず役立つものだと思います。
是非、ご家庭でも発散力を育てる機会を作っていただければと思います。
楽しみながら創造性を育んでいけたら素晴らしいと思います。
みなさんも、ぜひ家庭でアイデア発想を楽しんでみてくださいね。
コメント